ミツバチはハチミツを作ることで、高い知名度がある蜂です。そんなミツバチですが、ハチミツを作るだけではなく、さらに奥深い世界を持っています。
そのミツバチの世界について、様々な面から知っていきましょう。
ミツバチの特徴
ハチミツを作る
ミツバチの特徴として、ハチミツを作るという点は外せない部分です。スズメバチやアシナガバチは肉食のため、ハチミツを作りません。ですので、同じ蜂の中でもハチミツを収集するミツバチは、珍しい部類と考えていいでしょう。
ミツバチがハチミツを作るのは、働き蜂の餌にするためです。ご存知の通りハチミツは甘いため、糖度が高く、その糖分をエネルギーに変換して働き蜂は活動をしたり、熱を起こして巣の温度を保ったりするのです。
なお、ミツバチの幼虫や女王蜂は、主に花粉などから作られたローヤルゼリーを食べて成長します。
冬でも冬眠はしていない
スズメバチやアシナガバチなどの身近な蜂は、基本的に冬になると働き蜂は命を落とし、そして女王蜂は冬眠をするという形態を取ります。その点、ミツバチは冬になっても働き蜂を含めて冬眠はしません。
冬眠をしないミツバチは何をしているのかというと、積極的な活動をするのではなく、子孫を残すために重要な役割を持っている女王蜂を温めて寒さから守る行動を取ります。働き蜂たちは、ハチミツを積極的に摂取し、筋肉を動かして代謝熱を発生させます。これが巣を温める上での熱源になるのです。
冬になっても活動を停止していないことから、冬場のミツバチの巣に攻撃をしてしまうと、蜂が威嚇して襲ってくる可能性もあります。
ミツバチの種類
最もポピュラーなセイヨウミツバチ
ミツバチの種類の中でも、最もポピュラーであるのが、セイヨウミツバチでしょう。このミツバチは、私たちの生活の中で欠かせない存在のミツバチです。
なぜ欠かせない存在なのかというと、ハチミツの生産をセイヨウミツバチの多くが担っているからです。セイヨウミツバチは養殖の環境下においては、気温などの生活する環境の許容範囲が他のミツバチの種類にくらべて広いことが知られています。また、ハチミツを作る能力も高いです。
このようなセイヨウミツバチの特性から、養殖に積極的に取り入れられており、今ではセイヨウミツバチがハチミツ作りの要となっています。
日本固有種であるニホンミツバチ
日本においても、ハチミツの生産はセイヨウミツバチが主に担っています。しかし、日本固有種のミツバチが存在していないわけではありません。その固有種であるのが、ニホンミツバチです。
ニホンミツバチの特徴は、その強さでしょう。セイヨウミツバチと比較すると、病原菌やダニなどの害虫に対しての耐性があります。それに、寒さにも強いことや、天敵であるスズメバチに対しても集団で攻撃をしかけるなど、日本の大和魂に繋がる強さを持っています。
このような強さや、環境が悪いと別の場所を求めて飛び立つことから、養蜂するのが難しく野生で生息していることが多いミツバチです。
ミツバチに関する注意点
刺された時の毒に注意
他の蜂に比べて、ミツバチはおとなしい性格であると言われています。そのため、ミツバチは刺さないと勘違いされている方もおられるかもしれませんが、敵に対しては毒針を刺してきます。
その毒針から出てくる毒についてですが、一般的にイメージされているよりも強い影響を与えるものであるため注意が必要です。アシナガバチやスズメバチの毒に比べれば弱いですが、それでも体質的に弱い人ならばアナフィラキシーショックになる可能性があります。
もし刺されてしまった時は、そっと毒針を抜き、薬を塗ったり医療機関に行ったりするなど適切な処置を行うようにしましょう。
ミツバチの為に環境を守ろう
私たちにハチミツを与えてくれるミツバチですが、世界的にその個体数が減少していることが確認されています。その原因として考えられるのは、人間の環境破壊です。
個体数減少の絶対的な理由は確定されていませんが、強い農薬を使用していたり、自然が少なくなってしまったりするなど、人間の責任が大きいと考えられる原因の仮説がいくつかあります。このまま環境破壊が続けば、ミツバチが私たちの前から姿を消すかもしれません。
環境を守ることについては、個人の力だけでも貢献できる部分があります。ミツバチのために、環境を守るという点にも注意を向けておいてください。
まとめ
ミツバチは小さい体ながらも、ハチミツをせっせと集めて提供してくれる活動性の高さや、冬でも生活を継続する強さを持ち合わせているすごい蜂です。
そんな強いミツバチでも、環境の変化には弱いという特性があります。ですので、ハチミツを提供してくれているミツバチを守り、恩返しをするためにも自然を保持して環境を守ることは人間の命題であると言えます。
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