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人を刺すハチ

ハチの毒とアナフィラキシーショックについて

ハチに刺されると体に異変を生じてしまうのは、その毒が体内に入り、アナフィラキシーショックを起こしてしまうからです。

ハチの毒は体にどのような影響があるのか、そしてアナフィラキシーショックの症状、その予防策などについて解説していきます。

ハチの毒の成分と人に及ぼす影響

ハチの毒に含まれている成分

ハチの毒針に刺されると、様々な体調の変化を及ぼします。その変化は、ハチの毒の中に入っている成分によって引き起こされていることがほとんどです。

そのハチの毒に含まれている成分について、大まかに分けるとアミン系、酵素系、低分子ペプチド系、神経毒になります。アミン系は人間の中にもあるヒスタミンなどのホルモンの一種、低分子ペプチドにはハチ毒キニン、酵素系にはホスパリターゼ類などのハチ毒特有のものが含まれています。神経毒についてはスズメバチの毒に含まれていることで有名です。

ハチの種類にもよりますが、ハチの毒液の中にはこれらの成分が複合的に含まれており、それぞれが体の作用を引き起こします。

人の体に入るとどのような影響を及ぼすのか

では、上記でご紹介したハチ毒の成分が体に入ると、具体的にどのような影響を及ぼしていくのでしょうか。

まず、アミン系についてですが、これは掻痒感や痛み、腫れなどを起こします。次に低分子ペプチド系や酵素系は、血液中の赤血球を破壊したり各種アレルギー反応を引き起こしたりします。そして、神経毒については、筋肉などの体の伝達をする神経系の活動を阻害します。

これらの症状が複合的に生じることによって、刺した対象の体に著しい変化を及ぼします。そして、その毒が効くと、時として死亡させてしまうほどになるのです。

アナフィラキシーショックとは?

急激な血圧低下などの症状が出る

ハチの毒が体に入ると、体はアレルギー反応を生じてしまいます。その反応が著しい場合、アナフィラキシーショックというショック状態に陥り、命を落とすというケースも多く起きています。

このアナフィラキシーショックは、主に急激な著しい血圧低下を起こしてしまうことを指します。ハチの毒によって引き起こされたアレルギー反応により、毛細血管が必要以上に拡張し、それによって血圧が少なくなってしまうことが主なメカニズムです。

この他にも、意識が低下したり、臓器の働きが悪くなったりすることもあります。そして心肺機能が不良になるほどのショックを起こすと、死亡するリスクが高まってしまいます。

アナフィラキシーショックへの対処

ハチの毒は血液に直接注入されるという特性から、全身に回りやすいという特徴があります。それゆえに、アナフィラキシーショックが起こるケースが多いです。

それでは、ハチ毒によるアナフィラキシーショックには、どのように対処すれば良いのでしょうか。まず言えるのは、医療機関にかかるということです。そして適切な薬剤を投与してもらうなどの処置をしてもらいましょう。

アナフィラキシーショックはアレルギー反応であるため、それを抑える目的で抗ヒスタミン薬やアドレナリン、ステロイドなどの薬剤を使えば軽減させることができる可能性があります。

ハチに刺されないための予防策

ハチには近づかないようにする

ハチからの毒を回避する上では、刺されない対策をすることが重要です。その予防策として、ハチには近づかないことが第一の鉄則になります。

活動が盛んな時期のハチは、ハチ単体もしくはその巣に接近するだけで、防衛本能が働いて近づいてきた者を攻撃する性質があります。それが意図的でも意図的ではなかったとしても、ハチには敵として見なされるため、関係ありません。

ハチと適切な距離を取っておけば、ハチもこちらを敵として見る可能性が下がるため、結果として刺されるリスクを減らすことに繋がります。

蜂の巣ができるのを予防・駆除しよう

ハチに刺されてしまうのは、そのハチが自分の生活圏に出てきてしまうことがその原因の一つです。ですので、自宅の周辺に蜂の巣ができるのを予防、もしくはできてしまった巣を駆除しましょう。

蜂の巣の駆除は、専用の器具などを使って自分で行うこともできます。しかし、危険性が高いこともあり、できれば費用を支払って専門の駆除業者などに依頼をしましょう。また、単体のハチに対してはハチ駆除スプレーなどが効果的です。

また、蜂の巣が以前にできてしまっていた場所があれば、再び巣を作られる可能性が高いです。それを防ぐために、そこにもハチ駆除スプレーを噴射しておくことで、蜂の巣予防ができます。

まとめ

ハチの毒には、人間を重篤なアレルギー状態であるアナフィラキシーにさせる危険な成分が含まれています。

それらの影響を受けないようにするためにも、ハチに刺されないように、巣の駆除やハチに近づかないなどの十分な対策を取るようにしましょう。

ハチがどのように巣作りをするか、詳しくは→ハチの巣作り