すらっとした体型であり、私たちの周りにも生息していることが多いアシナガバチ。よく見かけるものの、アシナガバチのことについては、あまり知らないという方も多いのではないでしょうか。
そんなアシナガバチは、どのような世界の中で生活しているのか。その点について知っていきましょう。
アシナガバチの特徴
外見上の特徴について
アシナガバチの外見的な特徴の中で、一番に触れておくべきなのが、その足です。アシナガバチの名前からも分かるように、長い足が目立ちます。そのため、アシナガバチなのかどうかの判断をする上でも、足がポイントとなります。
全体的な見た目については、スズメバチによく似ているため、時折見分けが付きにくいこともあります。ただ、スズメバチと比較すると、体が小さく、そして細いのが特徴的です。
その他の外見上の特徴として、アシナガバチはスズメバチよりも黄色いということも挙げられます。しかし、よく目を凝らさなければわからないレベルであるため、素人判断では見分けるのは難しいかもしれません。
性格は穏やかなことが多い
アシナガバチは見た目はスズメバチに似ています。しかし、性格については凶暴ではなく、比較的穏やかであることが知られています。
飛び回っているアシナガバチが居たとしても、特にこちらから危害を加えようとしなければ、人間に対して針を刺すことはありません。見た目は怖いかもしれませんが、それとは逆に、好戦的に向かってくることは無いのです。
しかし、どれだけ穏やかなアシナガバチでも、こちらが危害を加えるようであれば襲ってきますので、気をつけておきましょう。
アシナガバチの種類
ポピュラーなセグロアシナガバチ
アシナガバチの中にも幾つかの種類が存在しており、その種類によって特徴が変わります。そんなアシナガバチの種類の中でも、日本で一番ポピュラーな種類であるのが、セグロアシナガバチです。
セグロアシナガバチは、本州を中心に全国に分布して生息しています。そのため、普段の生活の中でアシナガバチを見かけた場合、このセグロアシナガバチであることが多いはずです。
そして、セグロアシナガバチは日本に広く分布している種類であることから、それだけ人間との生活圏も近いのでアシナガバチと接触し、刺されるなどの被害に合うというケースも少なからずあります。
本州以外で生息するアシナガバチ
アシナガバチの亜種の中には、本州には存在せずに、日本の中のそれ以外の地域を中心に生息している種類もいくつかいます。
主に北海道に生息しているのが、トガリフタモンアシナガバチです。本州に居るフタモンアシナガバチという種類と近い親戚のようなアシナガバチですが、体はトガリフタモンアシナガバチの方がやや大きいです。
次に沖縄列島の南側に多く生息するのが、オキナワチビアシナガバチです。この蜂はアシナガバチの仲間でありますが、ミツバチのような小さい体型をしており、素人が見ると区別がつかないことがあります。
アシナガバチに関する注意点
同じ場所に巣を作られやすい
アシナガバチは、その年の春に巣を作り、そして冬には女王蜂だけになってその巣を去ります。そうして、次の季節になるとまた巣作りを始めるという習性があります。
さて、その次の年の巣作りについてですが、前年度に巣を作った場所に作られやすいという注意点があります。これはアシナガバチが本能的に、前と同じ巣の場所に作ろうとすることが理由だと考えられるでしょう。
アシナガバチの巣が毎年同じ場所にできて困るというケースも少なくありません。次の年度こそ巣を作られ無いようにするためには、その場所に殺虫剤を噴射しておくことが有用な方法となります。
不要な攻撃をしかけない
比較的穏やかな性格であるとされているアシナガバチでも、怒って人を襲うことは十分あり得ます。実際にアシナガバチに刺されてしまうという事件も、多々怒っているのが実情です。
アシナガバチに刺されないようにするためには、不要な攻撃をしかけないということが鉄則です。アシナガバチの巣に刺激を与えたり、飛んでいるアシナガバチに対して叩こうとするなどの攻撃をしかけると、逆に向こうからこちらを襲ってくることがあります。
上手くいけば、アシナガバチと人間は同じ生活圏域で生活することは不可能ではありません。無駄に攻撃をしかけないようにしましょう。
まとめ
日本には本州はもちろん、その他の地域にもアシナガバチの仲間は生息しています。ですので、アシナガバチは私たちの身近な蜂であると言うことができるのではないでしょうか。
アシナガバチは優しいですが、強力な毒針を持っているため、人間が刺激を与えると間違って襲ってくることもあります。そのため、アシナガバチと安泰に共存するためにも、不要なちょっかいは出さないようにしましょう。
危険なスズメバチについては→スズメバチの世界について知ろう